July 26, 2003
引きこもり、など
カウンセラーの富田富士也先生のワークショップに参加した。
朝に起きた電車の人身事故の話から、年間3万人に及ぶ自殺についての説明があった。
そう単純ではないのだと思うけれど、団塊の世代という50代にとって今の社会では、身についていた価値感や信念の崩壊が起きている、というのが大きな原因だという。
団塊の世代が生まれたころは、人とは信じるものであって、年功序列も当たり前であって(会社は自分を裏切らない)、「頑張れば報われる」時代だった。
今は「頑張っても報われない」時代。会社や人から裏切られるのは当たり前で、基本的に人は信用するものではないような風潮。
人を蹴落とすような時代にあって、当たり前に存在していた「人を思いやる心」は消えて、効率をあげることに躍起になる。
自分の価値感、存在意義などがボロボロに消えていくという恐怖...。
そこで自殺しか選択肢がなくなってしまう現実はあまりに悲しい。お父さんたちが悪いわけじゃないのに。
50代の次に多い自殺者は、その子どもたち、団塊ジュニア世代だという。なんと、私もそこに該当した。
人を信用するものではない、というような基本が横たわっている時代に生まれた子どもには、さまざまな人間関係障害が増えている。
「引きこもり」「不登校」「脅迫性障害」。それらの象徴的な事件が、神戸の少年事件と、長崎の少年事件だという。
「そうせざるを得ない」少年の心を、ワークショップで自分と重ねながら深めていくと、その苦しみはものあまりにも大きいとあらためて感じた。
神戸の少年の場合、事件後、20数人の大人が彼にかかわったという。少年が拒絶しようと何しようと、心に優しく入って、「いいんだよ、何でも話してごらん」という態度をとった。少年は、それまでそんなに人が自分と絡んでくれた経験がなかったに違いない。
今は、あまりに大きな罪の意識にさいなまれていると、新聞に出ていた。
現在の少年犯罪の多くは、事件直後は少年に罪の意識はほとんどないのだそうだ。そうやって、自分のことを本気で考えてくれる人との出会いを通して、徐々に良心が芽生えてくるのだという。
神戸の少年はことし秋に社会に出る。自分が人を(しかもむごい形で)殺したという事実は、今後、死ぬまで背負わなければならないし、周囲の目もあまりにも厳しいと思う。
多分、彼にこの5年間かかわってきた大人は、今後もずっと見守り続けるのだろうと思う。それが、彼にとって救いなのではないかな、と思う。
世の中には、寂しさや孤独の中で生きている人はあまりに多いのだろうなと感じる。
今後どう生きようかと思うとき、人を先入観や思い込みで判断するのではなく、とにかく心をいつもその相手に空けてみる、という姿勢を取りたいと思う。
社会にあふれている、人間関係がうまくいかない人に対して、私まで色眼鏡で見ることなしに、すべての出会いに「ありがとう」と言いたい。
その前に、今まで出会った人1人1人との関係をもっと大事にしなければいけないとあらためて思う。
富田先生の言葉
「百の心(いい心も悪い心もある人間)をくくって(受け止めて)、憂。これに目覚めてこそ優しさ」
朝に起きた電車の人身事故の話から、年間3万人に及ぶ自殺についての説明があった。
そう単純ではないのだと思うけれど、団塊の世代という50代にとって今の社会では、身についていた価値感や信念の崩壊が起きている、というのが大きな原因だという。
団塊の世代が生まれたころは、人とは信じるものであって、年功序列も当たり前であって(会社は自分を裏切らない)、「頑張れば報われる」時代だった。
今は「頑張っても報われない」時代。会社や人から裏切られるのは当たり前で、基本的に人は信用するものではないような風潮。
人を蹴落とすような時代にあって、当たり前に存在していた「人を思いやる心」は消えて、効率をあげることに躍起になる。
自分の価値感、存在意義などがボロボロに消えていくという恐怖...。
そこで自殺しか選択肢がなくなってしまう現実はあまりに悲しい。お父さんたちが悪いわけじゃないのに。
50代の次に多い自殺者は、その子どもたち、団塊ジュニア世代だという。なんと、私もそこに該当した。
人を信用するものではない、というような基本が横たわっている時代に生まれた子どもには、さまざまな人間関係障害が増えている。
「引きこもり」「不登校」「脅迫性障害」。それらの象徴的な事件が、神戸の少年事件と、長崎の少年事件だという。
「そうせざるを得ない」少年の心を、ワークショップで自分と重ねながら深めていくと、その苦しみはものあまりにも大きいとあらためて感じた。
神戸の少年の場合、事件後、20数人の大人が彼にかかわったという。少年が拒絶しようと何しようと、心に優しく入って、「いいんだよ、何でも話してごらん」という態度をとった。少年は、それまでそんなに人が自分と絡んでくれた経験がなかったに違いない。
今は、あまりに大きな罪の意識にさいなまれていると、新聞に出ていた。
現在の少年犯罪の多くは、事件直後は少年に罪の意識はほとんどないのだそうだ。そうやって、自分のことを本気で考えてくれる人との出会いを通して、徐々に良心が芽生えてくるのだという。
神戸の少年はことし秋に社会に出る。自分が人を(しかもむごい形で)殺したという事実は、今後、死ぬまで背負わなければならないし、周囲の目もあまりにも厳しいと思う。
多分、彼にこの5年間かかわってきた大人は、今後もずっと見守り続けるのだろうと思う。それが、彼にとって救いなのではないかな、と思う。
世の中には、寂しさや孤独の中で生きている人はあまりに多いのだろうなと感じる。
今後どう生きようかと思うとき、人を先入観や思い込みで判断するのではなく、とにかく心をいつもその相手に空けてみる、という姿勢を取りたいと思う。
社会にあふれている、人間関係がうまくいかない人に対して、私まで色眼鏡で見ることなしに、すべての出会いに「ありがとう」と言いたい。
その前に、今まで出会った人1人1人との関係をもっと大事にしなければいけないとあらためて思う。
富田先生の言葉
「百の心(いい心も悪い心もある人間)をくくって(受け止めて)、憂。これに目覚めてこそ優しさ」